日本紅斑熱とは

日本紅斑熱(Japanese spotted fever)とは

日本紅斑熱は1984年に当院院長の馬原文彦医師により初めて報告された新しい病気で、マダニによって媒介される急性熱性感染症です。マダニに刺咬されることにより、ヒトにリケッチア・ヤポニカ(Rickettsia japonica)という病原体が入り感染します。「高熱」「発疹」「刺し口」の3つの症状が特徴です。これらの症状は、つつが虫病によく似ていますが、治療が遅れると重症化することがありますので注意が必要です。

 

症 状

 1.高 熱

急性期には39~40゚C以上の弛張熱が多く、悪寒戦慄を伴います。

(つつが虫病と比較して、やや高く重症感があります)

 

 2.発 疹

高熱とともに、手足、手掌、顔面に米粒大から小豆大の不整形の紅斑が多数出現します。発疹は掻痒感、疼痛がないのが特徴的です。重症化した症例では、次第に出血性となります。手掌部の紅斑は日本紅斑熱に特徴的な所見です。

 3.刺し口

マダニに吸着された部位には「刺し口」がみられます。刺し口を見つけると臨床的な決め手になりますので、下着で覆われたところや毛髪部位も注意深く観察する必要があります。定型的には5~10 mm の赤く円い硬結で、潰瘍もしくは中心部に黒い痂皮を有します。

 

発生状況

1984年の発見以来、年間患者発生数は10~20例でしたが、1999年4月に感染症法で第4類感染症に指定され届出義務が生じてからは、年間40例前後が報告されていました。

近年徐々に増加し,2016年275例、2017年は史上最高の337例と多発しています。

 

発生地域は関東以西の比較的温暖な太平洋岸沿いに多く報告されていましたが、南は沖縄県から北は青森県まで報告され、日本中どこでも遭遇しうる感染症です。

 

発生時期は春先から晩秋。好発時期はダニの植生や人とダニとの接触の機会などの地域特性により異なります。

 

予防法

日本紅斑熱はリケッチアという病原体を持ったマダニに刺されることでおこる感染症です。

野山や畑等にでかけるときは、ダニに刺されないよう次のことに注意して下さい

 

○ 肌を出来るだけ出さないよう長袖、長ズボン、手袋等をし、防虫スプレーを使用しましょう

○ 帰宅後は直ぐに入浴し、ダニ類が着いていないか注意深く観察しましょう

○ ダニが付着していたら病原体が皮下に残らないよう、医師に取り除いてもらいましょう

○ 野外活動の後、2週間くらいの間に発熱や発疹が出た場合には、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。

○ この病気の治療には良く効く抗生物質がありますが、治療が遅れると重症化し経過も長くなります。

  受診の際は、「山に出かけた」、「ダニに刺された」などと、医師に告げて下さい。